開業までの流れ

STEP|01
ご相談・ヒアリング
開業を志す歯科医師の方の「夢」や「ビジョン」を具体化する作業を行います。どのような歯科医院を作りたいのか(例:一般歯科、小児歯科専門、矯正専門、インプラント特化など)、どのような患者層をターゲットにしたいのか(例:ファミリー層、ビジネスパーソン、高齢者など)、診療コンセプト(例:予防中心、痛みの少ない治療、ホスピタリティ重視など)などを深く掘り下げて伺います。また、開業に対する不安や疑問点、現在の資金状況、これまでのキャリアや得意分野などもお聞きし、開業後の成功を具体的にイメージできるよう、多角的な情報収集を行います。これにより、単なる「場所」の提供ではなく、先生の思い描く「理想の歯科医院像」の実現に向けた最初のロードマップを共同で作成していきます。
STEP|02
開業予定地の選定
歯科医院の成功を左右する最も重要な要素の一つが立地です。弊社では、客観的なデータに基づいた徹底的な診療圏調査を行います。具体的には、半径500m~1km圏内の人口統計(年齢層、世帯構成)、周辺の医療機関(競合歯科医院の数、診療内容、規模など)、交通量、視認性、アクセス(駅からの距離、バス停、駐車場)、周辺施設(商業施設、学校、オフィスビルなど)、将来的な開発計画などを詳細に分析します。また、実際に現地を訪問し、周辺環境や人の流れを肌で感じ取ることも重視します。これらの情報をもとに、ターゲットとする患者層が来院しやすい、かつ競合との差別化が図れる最適な物件を複数提案し、先生と共に検討を進めます。物件の賃貸条件や購入条件についても、プロの視点からアドバイスを行います。
STEP|03
事業計画書の策定
開業の羅針盤となるのが事業計画書です。ここでは、先のヒアリングで明確になったコンセプトに基づき、具体的な数値目標と戦略を盛り込みます。診療科目、診療体制(常勤医師数、スタッフ構成)、診療時間、休診日、想定する患者数、保険診療と自費診療の比率、平均単価、来院頻度などを詳細に予測します。それに基づき、初年度から5年程度の売上目標、原価(材料費、技工料など)、人件費、家賃、広告費、減価償却費などの費用を詳細に算出し、損益分岐点や利益率を明確にします。この計画書は、金融機関からの融資を受ける際の重要な資料となるだけでなく、開業後の経営判断の指針としても機能します。
STEP|04
資金計画
歯科医院開業には多額の資金が必要です。資金計画では、物件取得費(敷金、礼金、保証金、仲介手数料など)、内装工事費、医療機器導入費(ユニット、レントゲン、CT、滅菌器、口腔内スキャナーなど)、初期運転資金(3~6ヶ月分の家賃、人件費、材料費、広告宣伝費など)、予備費など、開業にかかる全ての費用を漏れなく洗い出します。その上で、自己資金の割合を検討し、不足分については最適な金融機関(日本政策金融公庫、各銀行、信用金庫など)からの融資をサポートします。事業計画書に基づいた融資相談、必要書類の準備、面談対策まで、金融機関との円滑なコミュニケーションを支援し、可能な限り有利な条件での資金調達を実現できるよう尽力します。
STEP|05
クリニックデザイン
患者様にとって「また来たい」と思えるクリニックは、機能性だけでなく、心地よい空間デザインが不可欠です。デザインフェーズでは、先生のコンセプトを具現化するために、内外装の設計を行います。待合室は患者様の不安を和らげるような癒しの空間に、診療室はプライバシーに配慮しつつ、スムーズな診療動線と感染対策が徹底された機能的な空間に設計します。ユニバーサルデザインの視点を取り入れ、高齢者や車椅子の方も安心して利用できるよう、バリアフリー対応も考慮します。素材の選定、照明計画、カラーコーディネート、サイン計画(看板、案内表示)まで、細部にこだわり、患者様だけでなく、スタッフにとっても快適で、モチベーション高く働ける空間を創り上げます。内装工事業者の選定もお手伝いします。
STEP|06
機器の選定
診療の質を担保し、効率的な運営を実現するためには、適切な医療機器と材料の選定が不可欠です。ユニットの台数や種類、レントゲン機器(パノラマ、セファロ、CTなど)、レーザー機器、口腔内スキャナー、滅菌器、各種ハンドピース、先生の診療方針や予算、将来的な展望に合わせて最適なものを提案します。複数のメーカーの製品を比較検討し、価格交渉の支援も行います。最新技術の導入、メンテナンス性、ランニングコスト、スタッフの操作性なども考慮し、費用対効果の高い選択をサポートします。
STEP|07
スタッフ募集
歯科医院の「顔」となるのがスタッフです。この段階では、受付、歯科助手、歯科衛生士、歯科技工士などの職種ごとに、必要人数、求めるスキル、経験、人物像を明確にします。求人媒体の選定(専門求人サイト、ハローワーク、人材紹介会社など)、求人票の作成、効果的な募集文言の検討、面接ノウハウの提供、給与体系や福利厚生の設計など、採用活動全般を支援します。スタッフ全員が同じ目標に向かって連携できるチーム作りを支援します。
STEP|08
広告宣伝
開業初期の集患は、歯科医院の成功に直結します。開業前から地域住民への認知度を高め、来院を促すための効果的な広告宣伝戦略を立案・実行します。具体的には、ターゲット層に合わせたウェブサイト制作(SEO対策、スマホ対応)、MEO対策(Googleビジネスプロフィール最適化)、SNS(Instagram, Facebookなど)を活用した情報発信、地域情報誌への掲載、ポスティングチラシや新聞折り込み広告の作成、内覧会の企画・運営、看板設置などが挙げられます。オンラインとオフラインの広告を組み合わせ、費用対効果の高いプロモーション戦略を提案し、先生の理想とする患者層を効果的に集患できるよう支援します。
STEP|09
開業手続き
歯科医院を開設するためには、多岐にわたる複雑な行政手続きが必要です。この段階では、弊社がこれらの手続きをスムーズに進めるためのサポートを行います。主なものとして、保健所への「診療所開設届」の届出、地方厚生局への「保険医療機関指定申請」の申請、エックス線装置設置届、防火管理者選任届などがあります。これらの手続きは、医療法、歯科医師法、健康保険法などの関連法規に基づいた厳格な要件があり、不備があると開院が遅れる可能性があります。弊社は、必要な書類の準備、記入方法の指導、関係機関との連絡調整まで、ワンストップで支援し、先生が安心して診療準備に集中できるようサポートします。
STEP|10
開院
これまでの準備期間を経て、いよいよ歯科医院が正式に開院します。しかし、開院はゴールではなく、新たなスタートです。開院直後は、予約システムの運用、患者様対応、スタッフ間の連携、医療機器の操作習熟など、様々なオペレーションが軌道に乗るまでサポートが必要です。弊社では、開院当日の立ち会い支援、初動におけるトラブル対応、そして、開院後の集患状況や患者様のフィードバックを基にした経営改善提案を行い、歯科医院の長期的な安定と発展をサポートいたします。